うどん店全焼、天かす自然発火か 消防「保管に注意を」

/8(木) 20:39配信

朝日新聞デジタル

 福岡県嘉麻市のうどん店で7日未明、天かすの自然発火が原因とみられる火災が発生した。熱を持ったままの天かすは1カ所に集めて置いておくと、余熱で燃え出すことがある。消防や警察は、飲食店や家庭で天かすを扱う場合は十分注意するよう呼びかけている。

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 嘉麻署によると、うどん店は木造平屋約90平方メートルが全焼した。従業員が最後に店を出たのは6日午後10時ごろ。7日午前4時半ごろ、仕込みのために訪れた従業員が、店内の倉庫内が燃えているのを見つけた。

 倉庫には天かすが集めて置かれていた。直径30センチの鍋の上に直径40センチの金ザルが置かれ、その中に天かすが入れられ、ザルにはアルミ製のふたがしてあった。ザルなどが内側から燃えており、天かすが発火したとみられるという。

 飯塚地区消防本部によると、天かす表面の天ぷら油が空気に触れる面積が大きく、調理された高温の天かすをザルなど1カ所に入れたままにしておくと、酸化反応が促されて発熱するという。熱は内部から逃げにくく温度が上昇する。熱がこもるまで時間がかかるのが特徴で、人がいなくなった夜中などに発火することがある。量が多いほど危険で、容器に詰めるなど放熱環境が悪いと、さらに危ないという。